甲ヶ山・勝田ヶ山・船上山
(大山の外輪山)1999年9月11日
鳥取県東伯郡赤崎町
甲ヶ山 標高1,338m・勝田ヶ山 標高1,149m・船上山 標高616m・大山隠岐国立公園・後醍醐天皇
ガスの船上神社
登山口から船上山頂上を経て写真の船上神社に着く。屋根は今年葺き替えられ美しい。この神社の左奥に「大山縦走路登山口」の標識に導かれブナの森につけられた登山道に入る。
幻想的なブナの森
神社から登山道を行く、今日はガスが多く見とおしがきかない。このあたりは暗い湿った森の中をひたすら進む。まず「天王屋敷」への分岐に着く、分岐と言っても名ばかりで天王屋敷への道は通行不能である。このあたりはブナの大木が多く「軍馬」と呼ばれる周囲4.8mの巨木がある、詳細は最下段で。
やがて941mの三角点が登山道に現れ、しばらく急坂を喘ぎ登りきると1,149mの三角点が現れる。また急坂を登ると、北東から連なる尾根に合流し登山道は右折する。ここまでは変化が少ない森の中の道であるが、突然尾根道に変わり正面に大山、左に甲ヶ山が見える。今回はガスが多くあまり展望は開けなかった。勝田ヶ山の頂上は行きも帰りも確認できなかった。
また少し下り、再び登りにかかると「道標」の分岐があり、尚登ると表紙のような東西の切り立ったアルペン的な岩稜にでる、ここを慎重にたどると甲ヶ山の頂上に着く。
甲ヶ山頂上
表紙の岩稜帯を慎重に越えるとすぐに甲ヶ山の頂上に着く。標識も無く写真のような岩にペンキで描かれた「甲ヶ山」で頂上が確認できた。又大きく×が描かれている岩は、これはこの先は立ち入り禁止の印である。縦走路は頂上の手前を左に折れている。今日はガスで展望がきかないが晴天時には素晴らしく360度の素晴らしい眺めらしい。
矢筈ヶ山方面
甲ヶ山から見た矢筈ヶ山方面。矢筈ヶ山を越え川床へ下山出来るが交通の便が悪いので車2台で行かないと無理である。川床から勝田ヶ山往復のコースが岩場のスリルと展望が最高の変化に富んだ良いコースかも知れない。しかし、岩に慣れていないと危険なコースかも知れない。
甲ヶ山南側岩壁の下りがこのコースの最も注意が必要な所らしい。一度行きたいコースである。
勝田ヶ山への尾根
甲ヶ山頂上から勝田ヶ山への尾根でこの尾根の先端が岩稜(最下及び表紙の写真)になっている。矢筈ヶ山へは右へ下り南側岩壁を下って行く。ここまでで我々は時間切れで引き返した。
甲ヶ山より縦走路
甲ヶ山側から見た岩稜を引き返す、ここから勝田ヶ山、船上山へと長い縦走路が続く。結構高度感もあり左は甲川の源流で、庄司ヶ滝がブナの樹海の間に確認できるらしい。「甲」の同じ字で、山は甲ヶ山(かぶとがせん)、甲川は(きのえがわ)と読む。
所要時間
登山口駐車場 ⇒ 天王屋敷分岐 1時間30分
天王屋敷分岐 ⇒ 勝田ヶ山 50分
勝田ヶ山 ⇒ 甲ヶ山 40分
下山 2時間
ブナ巨木「軍馬」について
昨年秋(初雪)に初めて「軍馬」を見に行きました、今年は軍馬に近づくとテープが張ってあり入れなくなっていた。このブナは250年ぐらいの樹齢で枯れ始めているそうで、鳥取大学の農学部の調査が始まっているそうです。これは大学教授と樹木医と共同で、森林生態学や植物生理学的に見て、何がブナの死を決定しているのか、酸性雨等の影響は無いのか、などを2年間かけて調べられるそうです。
登山道より外れており、よほど興味のある人しか近づかないと思いますので人間が直接影響を与えることは考えにくいと思います。しかし酸性雨等で間接的に人間がブナの寿命を縮める事は考えられます。樹木が枯れるということは、やがて人間自身にも影響が及ぶと考えられます。地球にやさしい生活を心がけたいものですね。