表銀座-槍ガ岳-北穂縦走(燕岳-槍ヶ岳-北穂高岳)
1975年9月24〜27日
長野県南安曇郡安曇村
1日目 有明駅(穂高駅)-(バス)-中房温泉−合戦尾根-燕岳-燕山荘(泊)
2日目 燕山荘-大天井岳-西岳-東鎌尾根--槍ヶ岳山荘(泊)
3日目 槍ヶ岳山荘-槍ヶ岳-大喰岳-中岳-南岳-大キレット-北穂高小屋(泊)
4日目 北穂高小屋-北穂南稜-涸沢-横尾-徳沢-明神-上高地-(バス)-中ノ湯温泉(泊)
燕岳の夕暮れ
有明よりバスで中房温泉に着く、最初からすごい登りである前夜の雨でガスの中を登って行く。最初の休憩所第一ベンチで水を補給し、第二ベンチは休まず合戦小屋を目指す。小屋に近くなってくるとガスも薄くなり青空も見え出す、そして雲の上に飛び出す。雲海がものすごい。
合戦小屋で豚汁を飲み、しばらく休みまた登りだす少し行くと槍の穂先が尾根の上に姿を現す。雲海を振り返りながら進んで行き合戦のコルに出た。燕山荘がはるか上に見える、夜行の疲れがこたえてくるがそれでも頑張りやっと尾根に出る。
高瀬川から涼しい風が吹き上がってくる、回りは雲の絨毯である。鹿島槍から針の木、剣、立山の山々が素晴らしい。小屋に荷を預け燕岳に向かう砂地だ歩きずらいがハイマツと奇岩のコントラストが美しい。頂上と言っても小さな岩の上で休憩をとり夕暮れを待つ。
夕暮れはとても素晴らしく高瀬川に敷き詰めた雲の絨毯の向こうの鷲羽岳に夕日が落ちてゆく、大自然のシンフォニーである。(写真)
燕岳から朝の富士山
翌朝日の出前に庭に出てみる、安曇野は一面の雲海でまるで島にいるようだ。写真左の浅間山から朝日が昇ってくる驚くほど速いスピードである、右の写真左手より八ヶ岳連峰、遠くに富士山そして南アルプスが浮かんでいる。素晴らしい快晴の朝を迎えた。。
槍ヶ岳と北鎌尾根
小屋で朝食をとり出発する快適な尾根道である、しかし目指す槍は遠い、ゲエロ岩、切り通し岩を通り大天井岳の登りにかかる。途中から大天井岳の右を巻いて行く、大天井ヒュッテに荷を置き頂上に向かうがかなりの距離である。
大天井岳から槍・穂高連峰
大天荘に着く、もうすぐ頂上である大きな岩のゴロゴロ道を行く。頂上からは素晴らしく眺めが良い槍の北鎌尾根から槍・穂高連峰が一望できる。
東鎌尾根と槍ヶ岳及び北鎌
来た道を引き返し西岳へ向かう、西岳小屋でラーメンを食べ急ないやな下りを降りる、下りきればまた登り返しがきつい。やっと槍ヶ岳東鎌尾根にとりつく、小さなアップダウンの繰り返しである。
常念岳
東鎌尾根から見た常念岳、紅葉が美しい。ハシゴを何度か登り、天井沢乗り越しを越え槍へと急ぐ。日はもう槍の向こうである殺生小屋に着いたがもう薄暗い、日が沈むのと競争で槍の肩へと向かう。やっと槍ヶ岳山荘に着いたときにはもうだいぶ暗くなっていた。
槍ヶ岳より穂高連峰
夜明け前の暗い道を懐中電灯を持って槍の頂上へ登る、途中でうっすらと明るくなってきた。頂上に着きしばらくすると常念岳の上の雲が明るくなってきた、雲が多く日は見えないが眺めは素晴らしく360度の大展望である。
朝焼けの穂高連峰の向こうに富士山、南アルプス、中央アルプス、乗鞍岳、御岳が墨絵のように浮かんでいる。
南岳とレンズ雲
食事を済ませ北穂高岳へと向かう、大喰岳、中岳を越え南岳から大キレットにかかり緊張しながら小さなピークを越えて行く。北穂の壁にかかるところ(A沢のコル)で小休止していると南岳にレンズ雲が出ている明日はきっと雨であろう。(写真)
飛騨泣きを超え滝谷を見ながら登って行く、やっと北穂高小屋に着き緊張から開放された。時間が早かったので頂上で寝転びごろごろして時間を過ごす。
北穂山頂より槍ヶ岳
北穂山頂から見た大キレットと槍ヶ岳。反対側には涸沢とその向こうに前穂高北尾根、奥穂高岳が素晴らしい360度の大パノラマである。
夕食のあとお茶のサービス、音楽はバロックと小さいがゆえに良い小屋である。東京の人達と山の話がはずむ。
翌朝はやっぱり雨、北穂南稜を下りひたすら上高地へと向かう。上高地でバスに乗り中ノ湯で下車し、雨の中を濡れながら宿まで行った。
文章は当時の山日記から紹介しました。
コース所要時間
1日目 穂高駅-(バス)-中房温泉−(3:00)-合戦小屋-(1:00)-燕山荘(泊)-燕岳往復(1:00)
2日目 燕山荘-(3:00)-大天井岳-(2:30)-西岳-東鎌尾根-(3:30)-槍ヶ岳山荘(泊)
3日目 槍ヶ岳山荘(1:00)-槍ヶ岳-大喰岳-中岳-(2:20)-南岳-大キレット-(3:30)-北穂高小屋(泊)
4日目 北穂高小屋-北穂南稜-(1:50)-涸沢-(2:00)-横尾-徳沢-明神-(3:00)上高地-中ノ湯温泉(泊)